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カルテット第6話と東京タラレバ娘第6話

ドラマが好きだ。毎クールかなりの数のドラマを見る。

「カルテット」がとてもおもしろい。


今週第6話が放送された。

とりあえずとてもおもしろかった。

そして深かった。

伝えたいメッセージの全てを理解できてはいない気がするけどそれでも深かった。


夫婦の気持ちが少しずつ離れていく様子が夫と妻それぞれの語りから浮き彫りになっていく話だった。


様々な出来事を通じて、夫の気持ちが妻から離れていく。


様々な出来事と書いたけれど、本当にいろいろなことの積み重ねだった。小さな不満から大きな問題までいろいろ。


その中で私自身にぐさっときたシーンがあった。


夫は自分の好きな映画を妻と一緒に見るのだ。夫はそれをとても楽しみにしていた。

けれど、見ている最中に妻はいろいろと映画について口を挟んでくる、挙句には寝てしまう。


もうひとつ。

夫は交際する前に彼女に本をプレゼントしていた。おそらく夫にとってとても思い入れのあり、絶対に読んでほしい本だったのだろう。

しかし、結婚した今でもその本に挟まった栞は9ページから一向に進まない。何度見ても9ページ。ついにはその本が鍋敷きに使われる。


これらのことが積み重なって、夫は家を出て行った。



ここで、もうひとつ別のドラマ「東京タラレバ娘」を取り上げたい。


こちらも今週の回、主人公に彼氏ができて、付き合いたてほやほやのカップルの様子を描いていた。


こちらは彼女の気持ちが彼氏から離れていく話だった。


2人は映画好きということで意気投合して付き合うことに。

彼氏は自分の好きなフランス映画を彼女に見せようとする。彼女は映画好きではあるが、フランス映画は苦手。しかし付き合いたてで、なかなか言うこともできず、眠気を堪えながら必死で見る。

それが一度ならず、ずっと続いていく。


そして、ある日彼氏が、今日はあなたの好きな映画を見ようと提案する。

彼女は自分が仕事を始めるきっかけにもなった、大好きな映画を伝える。

すると彼氏はそれを頑なに否定する、それだけは見たくない、と。


これが決め手となり、彼女は別れる決意をする。



「カルテット」と「東京タラレバ娘」のこれらのエピソードは伝えたいメッセージも違うだろうし、視点も違う。


それでもこの2つの話から私が強く感じたのは、自分の趣味趣向を相手に押し付けたり、求めたりしてはいけないということ。「この映画が好き」「おもしろかった」は言ってもいいけれど、「絶対に見て」「一緒に見よう」は危険。


押し付ける側も押し付けられる側もリスクがある。

押し付ける側は、自分の好きなものを理解してくれない、ないがしろにされることに傷つく可能性がある。

押し付けられる側は、相手の趣味趣向に合わせることがストレスになっていく。



私自身よく恋人に押し付けてしまっていた。

そして、傷ついていた。だからこのドラマが身に染みた。


自分の好きなものを見て、読んで、やって、と散々ねだったけれど、相手は見てくれず、読んでくれず、やってくれず、怒ってしまった、何度も。



長い間付き合っていた彼氏がいた。

彼はかなりの読書好きだった。

私は本を読むけれど、人並みだし、読む本も限定的だ。とても読書が趣味とは言えなかった。


でもあるとき、彼が私たちの共通の趣味は読書だね、と楽しそうに言っていた。

まず、そこの認識のズレがつらかった。


もっと大きな問題を感じていた。

彼はSNSなどでおすすめの本を発信していたので、それを見て、彼の好きな本を何冊か読んだ。

でもだめだった。それなりにおもしろいとは思えるのだけれど、自分の中に強く残るようなものではなかった。

彼のおすすめの中に私の好きな作家の本が一冊あったけれど、その作家の中であまり好きでない作品だった。


逆に彼が何より好きな、一冊の本。

私はその本を最後まで読みきることができなかった。それもかなり序盤で挫折した。

それも2回挑戦して、2回ともだめだった。

私が本を読むようになった高校生以降読みきることのできなかった本はこれ以外に記憶にない。


もし仮に私が読書は趣味であると言えた場合でも、本に対する価値観は全く合っていなかった。

だから好きなものや感動するものが合うなんてそうそうないんだと思う。


自分が好きなものは相手も好きなはずだし、自分が感動するものは相手も感動するに違いないという考え方はすごく危険なのだな、と。

だからやっぱり押し付けちゃいけないのだな、と。